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役員借入金とは役員から会社に貸し付けた資金のことを指します。会社の売上が悪く、従業員に給料が払えなかったり、取引先への支払いができなかったりする場合、役員が会社にお金を貸すことがあります。同族会社では、オーナー社長から多額の個人的資金を借り入れたままになっていることがよくあります。
役員借入金が税務上、問題となるのは役員の相続が発生したときです。
相続税は被相続人(亡くなった方)が保有していた財産に対して課税されます。相続財産にはプラスの財産とマイナスの財産があります。「役員借入金」は被相続人の「貸付金」という扱いになります。貸付金は「いずれは返ってくるお金」となり、プラスの財産に含まれます。
例えば、父親が社長で会社に1億円を貸し、そのままお金を返してもらうことなく亡くなった場合、相続財産に1億円の貸付金が含まれます。1億円の貸付金を相続した人は相続税を支払わなければいけません。
貸付金を贈与するのが有効です。ただし、貸付金を贈与する際は贈与税が課税されます。
贈与税の非課税枠は年間110万円ですので、年間110万円以下であれば贈与税が課税されません。ですから贈与する場合は、年間いくら贈与するのかを相続税の負担と比較検討してから行いましょう。
注意点として相続開始前3年以内の贈与は相続財産に含まれるというルールがありますので、貸付金を贈与する場合には、なるべく早く、長い期間かけて贈与をしていくようにしましょう。
役員報酬を減らし、その差額を役員借入金の返済に充てることで役員借入金を減らすことができます。この方法であれば現時点で支払っている役員報酬の代わりに役員借入金の弁済金を支払うことになりますので、今以上の資金を必要としません。
役員にはメリットがないように見えますが、給与が減る分所得税や住民税等が減額されます。一方、会社側は経費が減るためその分利益が増えることとなります。
役員が会社に対する債務(役員借入金の返済)を免除する方法です。
免除された額に対して法人税・贈与税等が課税される場合がありますが、会社が免除額以上の赤字または繰越欠損金がある場合は非課税で免除されます。
会社が金融機関から融資を受ける場合にも、「役員貸付金」や「役員借入金」は
マイナスのイメージとなります。役員借入金はできるだけ早めに減らしておくことをお勧めします。
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